外部研修を受けなかったらどうなるの?毎年義務付けられている登録販売者の継続的研修が、登録販売者のキャリアに与える影響を15年の経験者が解説します。常に更新される医薬品の情報を把握し、顧客に正確な情報を提供するため、継続的な学びが求められています。
この記事では、研修の具体的な内容と、受講を怠った場合のリスクについて詳しく説明しています。医薬品の適切な販売を支えるために、外部研修の重要性とその内容を、登録販売者が業務を適切に遂行し続けるために必要なスキルと知識の向上に焦点を当ててご紹介します。登録販売者としての価値を高め、消費者の健康を守るために、この研修がいかに重要かを理解し、適切に受講しましょう。
当サイトの管理人siroは、登録販売者として15年間の経験があり、店舗管理者・医薬品ECサイトを運営を行っています。2024年登販試験対策や登録販売者についてしっかりと解説します。

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登録販売者の外部研修(継続的研修)とは?

登録販売者の外部研修(継続的研修)とは、登録販売者が義務付けられている年1回の研修を指します。この研修は、一般用医薬品の販売に携わるすべての登録販売者が対象となり、知識を更新し維持することを目的としています。
この制度は、2012年に厚生労働省が公表した『登録販売者の資質向上のための外部研修に関するガイドライン』に基づき設けられました。登録販売者は、医薬品の適正な使用を促進し、消費者に正確な情報を提供することが重要です。よって日々更新される医薬品の知識を身に着けることが大切で、資格の取得後も学び続けることが必要です。
外部研修は、これらの更新された知識を定期的に登録販売者に提供し、その資質を維持するために重要です。改正された薬事法規など、変わりゆく医薬品の情報を迅速に理解し、顧客に正確な情報を提供できるようにするための研修が含まれています。
研修を受けない場合、登録販売者は最新の医薬品情報を顧客に提供する能力が低下し、誤った情報を提供するリスクが高まります。このように、外部研修は登録販売者個人だけでなく、雇用する企業にとっても遵守すべき要件となっています。
外部研修(継続的研修)はなぜおこなう?

外部研修の目的は、登録販売者が一般用医薬品の販売を適切に行うために、必要とされる知識とスキルの維持及び向上を図ることにあります。これにより、消費者に対して安全で正確な情報を提供し、適正な医薬品の使用を促進することが期待されます。
具体的には、外部研修には以下のような目的が含まれます。
- 資質の向上と知識の更新
登録販売者は、医薬品に関する最新の知識を常に更新し続ける必要があります。外部研修では、薬機法の変更点など、最新の医薬品情報を学ぶことができます。 - 専門的な能力の強化
研修を通じて、顧客からの具体的な質問に対して適切なアドバイスができるように、登録販売者の専門的な能力を強化します。これには、医薬品の効果や副作用、相互作用に関する詳細な知識の提供が含まれます。 - 法令遵守と倫理的責任の強調
外部研修では、医薬品販売に関連する法律や倫理についても教育が行われます。これにより、登録販売者が法的な規制を遵守し、倫理的に正しい行動を取ることができます。 - 顧客への信頼性の向上
継続的な研修を受けることで、登録販売者は顧客からの信頼を得やすくなります。これは、知識を有することが顧客にとって安心感を与え、リピーターを増やす効果があります。
これらの目的を達成するために、外部研修はカリキュラムに基づいており、登録販売者がこの職務に必要な知識と技能を確実に身につけることができるように設計されています。この研修を受けることで、登録販売者は医薬品販売のプロフェッショナルとしての自身の価値を高め、さらに生活者の健康をサポートできます。
外部研修(継続的研修)の内容

登録販売者の外部研修の内容は、厚生労働省が定める以下の8つの事項に基づいて構成されています。これらの研修内容を通じて、日々の業務に活かすことが期待されます。
研修受講の時間要件
- 年間受講時間
登録販売者は毎年最低12時間の外部研修を受けることが法律で義務付けられています。これにより、知識の維持と更新がされ、医薬品販売に関する最新の法規制や安全基準を遵守することが可能となります。
研修形式による時間の配分
- 集合研修
一般的に集合研修は6時間以上の実施が多いですが、これは研修機関やプログラムによって異なる場合があります。集合研修では、直接講師の指導のもと、対面での講義や質疑応答が行われ、加えて参加者間のディスカッションも学びが深まります。 - eラーニング
自宅や職場など、場所を選ばずに受講できるeラーニングでは、通常6時間の研修がオンラインで提供されます。この形式では、動画講義やインタラクティブなコンテンツを利用して、自分のペースで学習を進めることができます。
具体的な研修内容
医薬品に共通する特性と基本的な知識
医薬品の基本的な特性や分類、作用機序について学びます。医薬品が体内でどのように作用し、どのような副作用が考えられるかなどの基礎知識が含まれます。
人体の働きと医薬品
人体の各器官がどのように機能し、医薬品が体内でどのように影響を与えるかについての理解を深めます。この知識は、顧客が抱える具体的な健康問題に対して適切なアドバイスを提供する基盤となります。
主な一般用医薬品とその作用
市販されている一般用医薬品に焦点を当て、それぞれの薬剤の効能と適用症状、使用上の注意を学びます。これにより、顧客に対してそれぞれの健康状態に最適な製品を推薦できるようになります。
薬事に関する法規と制度
医薬品販売における法的な枠組み、薬機法をはじめとする関連法規について詳細に学びます。適切な販売と法令遵守の重要性を理解し、違反しないようにします。
一般用医薬品の適正使用と安全対策
医薬品の安全な使用方法と、誤用や乱用を防ぐための対策を学びます。顧客への正確な情報提供とともに、安全な使用を促すための方法についても習得します。
リスク区分等の変更があった医薬品
最新の医薬品情報に基づき、リスク区分が変更された医薬品について更新された知識を提供します。これにより、登録販売者は常に最新の情報を顧客に提供することが可能となります。
店舗の管理及び区域の管理に関する事項
店舗運営における管理責任と、その運営に必要な法規制、倫理的な問題について学びます。店舗内での医薬品の適切な取り扱いや、顧客情報の保護についても理解を深めます。
その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等
登録販売者としての職業倫理や、社会的な責任、業務を遂行する上での指針について学びます。これには、公正な商行為、顧客との信頼関係の構築、個人情報の取り扱いなどが含まれます。
これらの研修内容を通じて、年に一度のこの研修は、登録販売者にとって重要な職業的成長と継続的な学習の機会を提供します。
外部研修(継続的研修)の受講形式と最新の適用

登録販売者の外部研修は、集合研修とeラーニングの形式で提供されています。これにより、研修を受ける登録販売者は、柔軟に学習スケジュールを調整しながら、必要な知識とスキルを習得することが可能です。以下、外部研修の受講形式について解説します。
集合研修
集合研修は、講師が直接指導するクラスルーム形式の研修です。この形式の最大の利点は、対面での質疑応答が可能であることと、他の登録販売者との情報交換が行える点にあります。研修内容は通常、講義やグループディスカッション、ワークショップ形式で進められ、参加者は直接講師からフィードバックを受けることができます。また、実践的なスキルを学ぶセッションも含まれることが多く、具体的なケーススタディを通じて知識を深めることができます。
eラーニング
eラーニングは、インターネットを通じて提供される研修方法で、場所を選ばず自分のペースで学習を進めることができます。この形式の利点は、時間や場所の制約を受けずにアクセスできること、そして自分の理解速度に合わせて進められる柔軟性にあります。eラーニングプラットフォームでは、ビデオ講義、双方向での問題演習、テストなど多様な教材が用意されており、効率的に学習を進めることが可能です。さらに、最新の情報が随時更新されるため、常に現在の法規制やガイドラインに即した内容を学ぶことができます。
ハイブリッド研修
多くの研修機関では、これら二つの方法を組み合わせたハイブリッド研修を提供しています。具体的には、一部をeラーニングで予習し、重要な部分を集合研修で深掘りする形式が一般的です。このアプローチにより、効率的かつ効果的な学習が実現され、総合的な理解を促進します。
新型コロナウイルス対応
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、多くの研修が一時的にオンライン形式に切り替えられました。これにより、集合研修の必要性が減少し、より多くの登録販売者がリモート研修に参加するようになりました。この変更は、研修のアクセス性を向上させるとともに、感染リスクを最小限に抑える効果があります。
追記:上記の新型コロナウィルス対応のためすべてオンライン研修が特例的に認められていた。今回2024年一部改正があり、コロナ禍における特例措置を恒久的に認められることになった。
登録販売者が外部研修(継続的研修)を受けない場合のリスク

登録販売者が外部研修を受けなかった場合、その影響は個人および雇用主に及びます。外部研修は、登録販売者の職務を適切に遂行するために不可欠であり、これを怠ることにはリスクが伴います。以下で、研修未受講の場合に発生する具体的な問題について解説します。
職務遂行能力の低下
登録販売者は、一般用医薬品に関する専門知識を持ち、顧客に対して適切なアドバイスを提供する必要があります。研修を受けなければ、最新の医薬品情報や法規制の更新が行われた場合に、これを適切に顧客に伝えることができません。このように知識が陳腐化すると、誤った情報を提供するリスクが高まり、顧客の健康を損なう可能性があります。
法的遵守義務の違反
外部研修の受講は、薬機法に基づいて義務付けられています。この義務を無視することは、法的な違反行為となり、登録販売者個人だけでなく、雇用主に対しても罰則はないが、社会的責任や職業倫理において受講するべきです。
管理者要件をクリアできない
従事期間が過去5年のうち1年以上2年未満で管理者要件を満たそうとする場合、外部研修と追加的研修の受講実績があり、研修修了証の提出が必須になります。
顧客からの信頼失墜
登録販売者が最新の医薬品知識や法規制の情報を持っていない場合、顧客はその専門性を疑うかもしれません。これにより、顧客の信頼を失い、長期的には店舗の評判に悪影響を及ぼす可能性があります。顧客満足度の低下は、直接的に売上げ減少につながり、事業の持続可能性に影響を与えるでしょう。
これらのリスクを避け、登録販売者および雇用主は、外部研修のスケジュールを確実に管理し、全ての登録販売者が研修を受けるようにする責任があります。
研修申し込み方法と費用
研修申し込み方法
- 研修機関の選定
外部研修は、厚生労働省に届け出がある指定の研修実施機関でのみ受けることができます。まず、研修実施機関をリストアップし、それぞれの研修スケジュールとプログラム内容を確認します。 - オンラインまたは電話での申し込み
多くの研修機関ではオンラインでの申し込みが可能ですが、場合によっては電話・FAXでの申し込みも受け付けています。申し込みの際には、勤務先が法人申し込みを行う場合や個人で申し込む場合があります。 - 研修費用の支払い
研修申し込み時または研修当日に、指定の方法(オンライン決済、銀行振込、現地での支払い等)で研修費用を支払います。 - 研修の受講
申し込みが完了したら、指定された日時に研修を受講します。eラーニングの場合は、登録後に指定された期間内にオンライン研修を完了させる必要があります。
研修にかかる費用
外部研修の費用は、研修機関や研修形式によって異なりますが、一般的に以下のようなコストがかかることが多いです。
- 集合研修: 通常、一日6時間程度の集合研修の費用は、おおよそ3,000円から5,000円程度です。しかし、場所や講師によってこの価格は前後する可能性があります。
- eラーニング: eラーニングの費用は、集合研修よりもやや低めで、約2,000円から4,000円程度です。これには、任意の時間にアクセスできる利便性が反映されています。
- ハイブリッド研修: 集合研修とeラーニングを組み合わせた研修の場合、費用は合計で4,000円から6,000円程度になることが一般的です。
外部研修を受講することは、登録販売者としての義務であり、その専門性を維持するために重要な投資です。研修費用は必要経費として考え、適切な研修を選ぶことが、長期的に見て顧客サービスの質を高め、自己のキャリアアップにつながります。
まとめ
登録販売者の外部研修は、知識をアップデートし、法的義務を遵守し、消費者に対して安全で正確な医薬品情報を提供するために必要です。この研修を受けることにより、登録販売者は最新の医薬品の知識を身につけ、顧客からの信頼を獲得しやすくなります。一方で、研修を受けないリスクには、知識の陳腐化、法的遵守義務の違反、職務遂行能力の低下、そして管理者要件を満たせない等のキャリアを損なうリスクがあります。
登録販売者が外部研修を受けることは、個人の職業成長だけでなく、社会への貢献とも直結します。顧客に対して正確な情報を提供することは、適切な医薬品使用を促進し、健康リスクを減少させる効果があります。したがって、外部研修は単なる義務遂行以上の意味を持ち、登録販売者にとってはプロフェッショナルなスキルを磨き上げる機会です。
研修内容には、医薬品の基本知識、人体の働き、主な一般用医薬品の作用、法規制の遵守、医薬品の適正使用と安全対策などが含まれます。これらの知識は、日常業務に直接関連しており、顧客の健康を守り、安全な医薬品使用を支援するために役立ちます。
また、研修は集合研修とeラーニングの形式で提供されており、新型コロナウイルスの影響によるオンラインへの移行が、アクセスを容易にし、より多くの登録販売者が参加する機会を提供しています。これにより、学びの機会が増え、より柔軟に専門知識を更新できるようになりました。
総じて、外部研修は登録販売者が専門的なサービスを提供し続けるために重要な役割を果たしています。信頼性とプロレベルを保つためには、研修を毎年受講しましょう。
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