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『ドラックストア以外で登録販売者はどこで働く?』実務15年の経験者が就職先を徹底解説

登録販売者としてのキャリアパスは、一般的にはドラッグストアでの勤務が一番思い浮かぶかもしれませんが、他の活躍の場も多くあります。この資格を生かして活躍できる場所は、健康と福祉の需要が高まる社会の中で、ますます多様化しています。

登録販売者の資格を持つことで、調剤薬局、漢方薬局、介護施設といった専門的な場所はもちろん、日常生活に根ざしたホームセンターやコンビニエンスストアなどでの需要も増えています

この記事では、実務経験15年の登録販売者が、ドラッグストア以外でどのような職場が存在するのか、その具体的な働き方や職場環境について紹介します。それぞれの職場で求められるスキルや日々の業務内容、キャリア形成のチャンスについても掘り下げて解説し、登録販売者を目指す方や転職を考えている方々に向けて、新たな可能性を示すことを目指します。

当サイトの管理人siroは、登録販売者として15年間の経験があり、店舗管理者・医薬品ECサイトを運営を行っています。2024年登販試験対策や登録販売者についてしっかりと解説します。

1. 調剤薬局での役割

調剤薬局での登録販売者としての役割は、意外に思えるかもしれませんが、実は重要です。一般に調剤薬局と聞くと、処方箋に基づく調剤がメインの業務と考えがちですが、登録販売者はその他の業務を担当します。窓口での受付業務や書類作成などの事務仕事は、登録販売者がおこなうことが多いです。専ら調剤薬局事務のような業務になります。

ただし、登録販売者の専門である第二類・第三類を扱う調剤薬局では、一般用医薬品の販売を行うことが大きな役割です。顧客が抱える健康問題に対して適切な医薬品を推薦し、使用方法や注意点を説明することで、顧客の健康支援を行います。

さらに、調剤薬局での勤務は、顧客からの健康相談に応じる場面も多いです。これにより、登録販売者は医薬品の知識だけでなく、顧客の健康に関する広範な知識も必要とされるため、専門性をさらに深めることができます。個々の顧客からの信頼を得ることができるだけでなく、薬局全体の評価向上にも貢献することが可能です。

2. 漢方薬局でのキャリア

漢方薬局で働く登録販売者のキャリアは、特有の専門知識を活かすことができる魅力的な道です。漢方薬は、その独特の効能と用法により、顧客からの関心も高く、健康維持や病気の予防に役立つ自然療法として評価されています。登録販売者は、漢方の基礎知識だけでなく、体質や症状に応じた最適な漢方薬を顧客に提案することが求められます。

この職場では、商品を販売するだけでなく、顧客の健康状態や生活習慣を詳細にヒアリングし、それに基づいて個々に合った漢方薬を選び出すカウンセリング能力が重要です。漢方薬の選定には、その人の体質や季節、現在抱えている症状など、多くの要素を考慮する必要があります。そのため、登録販売者は、漢方の深い知識はもちろん、顧客とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築くスキルも磨かれることになります。

さらに、漢方薬局での業務は、健康相談やライフスタイルのアドバイスを行うことも含まれます。これにより、登録販売者は、単なる販売者から健康のサポーターへと役割が拡張され、顧客の生活全体に対するポジティブな影響を与えることが可能です。

3. 介護施設での可能性

介護施設で働く登録販売者には、介護職員として健康管理・指導などの付加価値を持たせます。介護施設での業務は、ただ介護するだけではありません。利用者一人ひとりの健康状態や生活習慣に応じた個別の健康指導を行うことも重要です。この過程で、登録販売者は、利用者やその家族とコミュニケーションを取りながら、必要な健康に関する相談に応じます。こうした対話を通じて、信頼関係を築き、より個別化されたケアを提供することができます。

4. ホームセンター・スーパー・家電量販店での業務

ホームセンター、スーパー、家電量販店での登録販売者の業務は、日常的に多くの顧客が訪れるため、健康関連商品の販売を担当する登録販売者は、幅広いお客様への接客をします。

多くのホームセンター、スーパー、家電量販店は、医薬品コーナーがあり、一般用医薬品や健康食品、衛生用品などの取り扱いがあります。これらの商品の適切な使用方法や効能について顧客にアドバイスする役割を果たします。

このような環境で働く登録販売者は、商品の特性を詳しく理解し、それを顧客にわかりやすく伝える能力が求められます。また、さまざまな年齢層や生活スタイルの顧客が来店するため、多様なニーズに応じた対応が必要となり、これによってコミュニケーションスキルも磨かれます。顧客と直接接する機会が多いため、信頼関係を築くことができればリピーターを増やし、売上の向上にもつながります。

ホームセンターやスーパー、家電量販店で働くことのメリットの一つに、広い商品知識を身につけることがあります。日常的に使用される商品から専門的な医薬品まで、多くのアイテムについて学ぶことができるため、商品管理や販売のスキルが全般的に向上します。さらに、これらの店舗ではプロモーション活動も頻繁に行われるため、マーケティングや顧客サービスの戦略を学ぶ良い機会にもなります。

5. コンビニエンスストアでの新たな立場

コンビニエンスストアでの登録販売者の立場は、日常生活に密接に関連した健康支援の場として、近年注目されています。コンビニエンスストアは、そのアクセスの良さから多くの人々が日常的に利用する場所であり、一般用医薬品のほか、健康食品や衛生用品など、健康関連商品の需要が急増しています。ここでの登録販売者は、これらの商品についての正確な情報を提供し、顧客の健康維持や向上をサポートする重要な役割を担っています。

2021年8月1日より、医薬品販売における「2分の1ルール」が撤廃されました。このルールは、医薬品販売店舗の営業時間の半分以上に薬剤師または登録販売者を配置するというものでした。「2分の1ルール」の撤廃により短時間でも医薬品販売が可能になり、「登録販売者の求人需要も減少するかも」という声があがりました。しかし実際は、今後も医薬品を扱う店舗が増えるので登録販売者が今より必要になるかもしれません。よく経過を注視していきましょう。

6. 製薬会社・薬品卸会社での職務

製薬会社や薬品卸会社での登録販売者は、知識を生かした環境での業務です。これらの職場では、医薬品をはじめとする健康アイテムの流通と販売が主な仕事となります。薬品業界での登録販売者は、製品の特性や効能、適用範囲を深く理解し、それを基に販売戦略を立て、得意先に対する情報提供を行う重要な職務を担います。

製薬会社で働く場合、登録販売者は新しい医薬品の市場導入に伴う教育セミナーの企画・実施に関わることが多く、そのためには医薬品の詳細な知識とともに、高いプレゼンテーション能力が求められます。また、医薬品の安全性や有効性に関する最新の研究結果を理解し、それを顧客やパートナー企業に正確に伝えることも必要です。

薬品卸会社では、広範囲にわたる商品の流通を管理するため、効率的な物流システムの運用や在庫管理が主な業務となります。商品の出荷前チェックや品質管理、さらには市場ニーズに応じた在庫調整を行うことで、供給網のスムーズな運営を支援します。この業務を通じて、供給チェーン全体の効率化に貢献することができます。

製薬会社や薬品卸会社での勤務は、業界全体の動向を把握し、専門性が求められるため、継続的な学習と自己研鑽が不可欠です。さらに、業界特有の法規制や商慣習があり、これらを正しく理解し、職務を遂行します。

7. 配置薬会社での営業

配置薬会社で働く登録販売者は、その職務においてチャレンジと機会に直面します。配置薬とは、企業や個人宅などに常備される置き薬のことを指し、健康管理や緊急時の対応に利用されます。配置薬の販売には法規制が伴うため、登録販売者は法的な知識に加え、販売戦略や顧客管理のスキルを高めることが求められます

配置薬会社での主な業務は、適切な医薬品を選定し、薬箱に配置し、顧客に提供することです。これには、医薬品の特性を詳しく理解するだけでなく、顧客のニーズに応える能力が必要です。登録販売者は、顧客が抱える具体的な問題や要望を把握し、それに最適な製品を提案することで、顧客満足度を高めることができます。

さらに、配置薬の販売は、顧客との長期的な関係構築が鍵となるため、信頼性の高いサービスを継続的に提供することが重要です。これにより、安定した顧客基盤を築き、定期的な収益を確保することが可能となります。配置薬会社で働く登録販売者は、個々の顧客に合わせたカスタマイズされたアプローチを取り、定期的なフォローアップを通じて顧客の期待を超えるサービスを提供することが求められます。

8. 通信販売会社における展望

通信販売会社における登録販売者は、インターネットを通じた薬品販売における法規制の遵守と顧客サービスの質の向上に重点を置いています。この業界では、広範囲の顧客にアクセスすることが可能であり、オンラインプラットフォームを利用して医薬品や健康関連商品を販売します。登録販売者は、商品の正確な情報提供と適切な顧客対応を行うことで、信頼性の高いサービスを提供する必要があります。

オンラインでの医薬品販売は、顧客が自宅にいながらにして必要な商品を購入できる利便性を提供しますが、その一方で、不適切な使用によるリスクも存在します。そのため、登録販売者は商品の説明や使用上の注意を丁寧に行い、顧客が安全に商品を使用できるようサポートすることが求められます。また、顧客からの質問に対して正確で理解しやすい情報を提供することで、オンラインでの健康相談にも対応します。

通信販売の環境で働くメリットとしては、技術を活用した新しい販売形態に携わることができ、デジタルマーケティングのスキルや顧客データ分析の経験を積むことができる点があります。これにより、業界の最前線で活動することが可能となり、個人のキャリアアップにもつながります。さらに、幅広い商品に関する知識を深めることができ、多様な顧客ニーズに応じた提案を行うことが可能です。

しかし、デメリットとしては、顧客と直接対面しないため、オンライン上でのコミュニケーションに限界があります。また、薬機法・景品法など常に最新の法律知識を更新し続ける必要があります。

9. 健康サロン・フィットネスジムのインストラクター

健康サロンやフィットネスジムの場での登録販売者は、顧客一人ひとりに合わせたカスタマイズされた健康アドバイスを提供します。これらの施設では、顧客のライフスタイルや健康状態に焦点を当てます。登録販売者は、医薬品の専門知識に加えて、顧客との信頼関係を築きながら、健康の維持や改善をサポートします。

健康サロンやフィットネスジムでの勤務は、顧客と密接に関わり、一人ひとりの健康目標に合わせたパーソナライズされたサービスを提供することが求められます。このような環境で働くことのメリットは、顧客の健康改善過程に直接関与できることや、長期的な顧客関係を築きやすいことです。

10. 化粧品・衛生材料会社での職場

化粧品や衛生材料を取り扱う会社での登録販売者の仕事は、美容と健康を融合させた製品の提案と販売にあります。このような職場では、顧客のニーズに応えるために、製品の特性や利点を正確に理解し、適切なアドバイスを行うことが求められます。登録販売者は、化粧品の成分や効果、衛生材料の使用方法など、広範囲にわたる商品知識を持つ必要があり、それを顧客にわかりやすく伝えるスキルも重要です。

この業界で働くメリットは、常に最新の美容と健康のトレンドに触れることができる点です。顧客が求める美容効果や健康維持のニーズに対して、効果的なソリューションを提供することで、顧客満足度を高め、リピーターを増やすことが可能です。また、商品の魅力を最大限に引き出す販売戦略を考えることができるため、マーケティング能力や戦略的思考力を磨く良い機会になります。

一方で、化粧品や衛生材料の販売は、競争が激しい市場であるため、顧客の獲得と維持には継続的な努力が必要です。また、製品に対する顧客の反応や市場の動向を敏感に察知する必要があり、これには高度な市場分析能力と柔軟な対応が求められます。さらに、美容と健康製品に関する規制が厳しく、常に法的要件を遵守する必要があるため、関連する法規の知識を更新し続ける必要があります。

これから登録販売者を目指す方に(注意点も含む)

登録販売者を目指す方々へのアドバイスをいくつかご紹介します。

資格を取得する

登録販売者として働くためには、各都道府県の資格試験に合格する必要があります。そのためには、関連する専門知識を身につけるための勉強が欠かせません。資格試験のカリキュラムや過去の問題集を活用して、しっかりと準備しましょう。

コミュニケーション能力を磨く

登録販売者は、顧客とのコミュニケーションが重要です。商品の特性や使用方法をわかりやすく説明する能力が求められます。コミュニケーション能力を磨くためには、ロールプレイやコミュニケーションスキル向上のトレーニングを積極的に取り入れると良いでしょう。

責任感を持つ

登録販売者は、医薬品や健康に関する情報を正確に伝えることが求められます。そのためには、責任感を持つことが重要です。顧客の安全を最優先に考え、正しい情報を提供する姿勢を貫くことが必要です。

注意点:正規の登録販売者の要件が満たされる就職先か?

実務経験の要件

登録販売者として仕事をする過程で、実務経験の要件は重要な要素です。正規の登録販売者として働くためには、過去5年以内に通算して2年以上の実務経験が必要ですが、この経験が1年以上2年未満の場合、追加的な研修を受けなければならないという規定があります。

正規の登録販売者を目指す場合、必要とされる実務経験は特定の業種に限られています。具体的には、薬局、店舗販売業、または配置販売業での勤務がこれに該当します

これらの場での実務経験が、登録販売者としての資格維持や昇格に直接的に影響を与えるため、キャリアを計画する際にはこの点を考慮する必要があります。

ドラックストア以外での就職は、転職エージェントがおすすめ

転職エージェントを利用することの最大の利点は、専門的な転職支援を受けられることにあります。転職エージェントは、各業界の市場動向や雇用情報に精通しており、個々の職業経歴やスキルに合った求人を提供してくれます。これにより、求職者は自分の条件に最も合った職場を見つけやすくなり、キャリアアップにつながる可能性が高まります。

また、転職エージェントは履歴書の書き方や面接の対策など、転職活動全般にわたるアドバイスを提供します。これにより、求職者はプロのサポートを受けながら、より効果的に自己PRを行うことができ、競争力を高めることが可能です。さらに、転職エージェントは候補者と企業との間でコミュニケーションを取り持つため、求職者が直接聞きにくい給与や労働条件などの交渉も代行してくれることがあります。

転職支援を受けることで、ただ新しい職場を見つけるだけでなく、自分自身のキャリアを見つめ直し、長期的な職業計画を立てる機会も得られます。転職エージェントを通じて得られる市場のリアルタイムな情報は、自分だけで転職活動をする場合にはアクセスしづらい価値あるものであり、それによってより戦略的なステップアップが図れるでしょう。

適切なサポートと情報提供を受けることで、より良い職場環境への移行がスムーズに行えるようになるため、キャリアの質的向上を目指す際には積極的に活用することをお勧めします。

まとめ

本記事では、登録販売者がドラッグストア以外で活躍できる職場環境を紹介しました。調剤薬局、漢方薬局、介護施設、ホームセンター、スーパー、家電量販店、コンビニエンスストア、製薬会社、薬品卸会社、配置薬会社、通信販売会社、健康サロン・フィットネスジム、化粧品・衛生材料会社など、登録販売者がその専門知識を生かせる場はたくさんあります。

各職場で求められるスキルや業務内容は異なりますが、共通して必要とされるのは、医薬品や健康の知識と顧客への丁寧なコミュニティケーションスキルです。

登録販売者は、ただ医薬品を販売するだけでなく、顧客の健康を支援し、安全な使用を促すための教育も行います。これにより、社会全体の健康向上に貢献することができる重要な役割を担っています。多くの就職先を検討することで、個々の能力や興味に合った職場を見つけ、充実したお仕事続けられるように願っています。

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